2026.02.15
【訪問看護】2026年診療報酬改定の具体的方向性が固まる①
2016年2月13日、
中医協(中央社会保険医療協議会)より、
次期診療報酬改定に向けた答申資料が発表されました。
今回の改定は、
深刻化する人手不足への対応としての「賃上げ」と、
医療DXの推進、
そして過剰な訪問を防ぐための
「適正化」が大きな柱となっています。
今回、国が訪問看護ステーションをどのように見据えていて、
報酬についてどのように考えているかを、
複数回に分けて紹介していきます。
2026年改定に向けた訪問看護の課題とポイント
まず、今度の改定に向けて、
国ではどのような課題とポイントをまとめていたかを
令和7年11月12日の中医協の資料から
確認してみましょう。
1.医療安全管理体制の強化と義務化
課題:訪問看護での事故やインシデントが一定数発生しているが、医療法で研修が義務付けられている医療機関と違い、訪問看護には同様の規定がなかった。
ポイント:スタッフに対する「医療安全に係る研修」の受講が新たに求められる方針です。国は現在、ステーションで活用できる標準的な教材を作成中です。
2.精神科訪問看護の「質」の担保と適正化
課題:一部の事業所による「過剰なサービス提供(意向を無視した頻回訪問)」や「身体合併症への対応力不足」が指摘されています。
ポイント:
① アセスメントの明確化:訪問頻度を変更する際のアセスメント(なぜその回数が必要か)や、実際の開始・終了時刻の記録が厳格化されます。
② 機能の高いステーションの評価:24時間対応し、重症者や身体ケアも担える「地域拠点型」の評価が進められます。
3.母子(妊産婦・乳幼児)への切れ目ない支援
課題:母親の精神疾患に伴う育児支援など、医療保険の訪問看護としてどこまでが対象かという現場の運用が不安定でした。
ポイント:育児支援単体は対象外としつつも、利用者のケアの一環として行う「育児指導や支援」を訪問看護の時間に含めることを明確化し、質を高める方針です。
4.事務手続きの適正化
課題:訪問看護指示書の郵送代を、医療機関かステーションのどちらが負担すべきかの認識がバラバラでした。
ポイント:「指示書を交付する医療機関側が負担する」ことが明確化される見込みです。
5.過疎地域(特別地域)への配慮の拡充
課題:現行の「移動時間1時間以上」という一律の縛りでは、ケア自体に長時間かかる場合や、ルートの非効率さが十分に評価できていませんでした。
ポイント:移動時間だけでなく、「移動+訪問看護の提供」の合計時間が極めて長い場合も評価対象に含める検討がなされています。
まとめ
みなさん、いかがでしたでしょうか。
ここ最近では、
集合住宅に併設している訪問看護の
過剰訪問による数十億円規模の返戻金や、
特定のビジネスモデルに対する
「囲い込み」といった問題が、
メディアでも大きく取り上げられるようになりました。
国はこうした状況を重く受け止め、
今回の改定では
「同一建物居住者」への評価を
劇的に細分化・厳格化する方向となっています 。
実際に、1件当たりの平均額が高いステーションを
優先的に個別指導の対象とするような仕組みも新設される予定です 。
こうした「厳格化」の一方で、
今回の改定案には、
地域の重症者対応を担うステーションや、
ICTを駆使して多職種連携を深めるステーションなど、
本来の訪問看護を適切に提供できている事業所を
これまで以上に評価しようとする姿勢も随所に見られました 。
まさに、訪問看護業界にとって大きな転換点となる改定です。
さて、次回からは、
皆様が最も気になっているであろう
「具体的な報酬点数」や
「新設された加算の詳細」について
具体的に触れていきたいと思います。