2024年2月より介護職賃上げ月6000円がほぼ確定
2023.11.9制度関連
2024年2月より介護職員1人あたり月6千円の賃上げを実施する方針を厚労省がとったと日経新聞の本日の記事だ。介護を担う看護補助者も対象とした補助金を報酬改定にあたる4月を待たずに2月から開始とのこと。
プラス改定の見通し
介護報酬改定もプラス改定の方向で調整を行っているとのこと。なお、2022年現在の介護職員の平均月収は29.3万円とのこと。一見かなりもらっているようにも見えるのだが、全産業平均はまだこれより7万円も上らしい。改定はプラスかもしれないが、例えば処遇改善がプラスであり、他の報酬単価が下がれば、現実的にはマイナス改定といっても良いのではないだろうか。財務省も報酬のプラス改定には渋っている状況とのことで、まだまだ予断を許さない状況ではある。
介護職の賃金改善だけが進んでいる状況で、他のコメディカルの賃金改善が置いてかれている現状も気になるところでもある。
背景には介護人材の流出も
この賃上げの背景としては、もちろん昨今のメディアを賑わす物価上昇による影響もあるが、実は介護人材の流出が深刻さを増しているという状況もある。全国老人福祉士悦協議会によると、10年以上の経験ある介護人材の離職率は50%近くになっている。
人口減少に伴う労働人口の減少は大変深刻な問題で、これは介護に限らず全ての産業にとっての問題でもある。そうなると、介護職から別の産業へ転職するものも出てくるわけで、そう考えると事態はなお深刻さを増してくる。
ただ、真に他産業に負けない介護業界の構造を作るには、政府によるテコ入れや現状の追い風に任せるだけではなく、介護職一人ひとりが専門性を意識して、質の向上に取り組んでいくことと、その実績をしっかりバックアップできる団体の存在が本質的な部分を解決していくために必要なことなのだろう。